▼天空城
ビアンカ「さあ　行きましょ。
　　グランバニアのみんなが
　　たよれる王さまを　待ってるわよ。

ビアンカ「そういえば　さっき
　　マスタードラゴンの言葉に
　　おつきの天空人が　あわててたわね。
ビアンカ「あれって　どういうこと？
　　マスタードラゴンって
　　ちょっと　変わり者なの？

ビアンカ「うわ〜　きれいな空！
　　今の　私たちの気分のようね！

ビアンカ「あんなに　よろこばれると
　　ちょっとだけ　照れるわね。
ビアンカ「でも　私も　すべて
　　リュカのおかげだと　思うわよ。

ビアンカ「永遠に…　か。
ビアンカ「私ね　なんだったら
　　もう一度　石になっても
　　いいかな…　って思うの。
ビアンカ「ただし　リュカが
　　永遠に　そばにいてくれるっていう
　　条件つきよ。

ビアンカ「けっこう
　　つらい旅だったんだけどな。
ビアンカ「終わってみれば　すべて
　　神の　おみちびきに　なるのよね。

▼エルヘブン
ビアンカ「本当に　お母さまには
　　一度しか会えなくて
　　ざんねんだったわね。
ビアンカ「でも　お母さま　ずっと
　　見守ってくださってるわ。だから
　　悪いことはしないでね！　…なんてね♪

ビアンカ「そうだったんだ……。
　　お母さまの　クチからも
　　その時の話を　聞いてみたかったな。

ビアンカ「本当に
　　世界は平和になったのね。
　　地上におりてきて　やっと実感したわ。

ビアンカ「そうね。お母さまの
　　チカラがなければ　きっと
　　ミルドラースに　勝てなかったわ。

ビアンカ「今の話って
　　お父さまと　お母さまの
　　出会いの話よね。
ビアンカ「どんな　ロマンスが
　　あったのかしら。ふたりに
　　ゆっくり　聞いてみたかったわね。

ビアンカ「うふふ。
　　別に　私たちだけのチカラで
　　勝てたわけじゃないわよね。
ビアンカ「世界中の人々が
　　私たちを　信じてくれたから
　　きっと　勝てたんだと思うもの。

ビアンカ「私も　祈るわ。
　　あそこで　眠る人たちが
　　天国へ行けるように……。

ビアンカ「えっ！？　お母さまたちって
　　かけおち　だったの？
　　う〜ん　やるわねえ……。

▼ラインハット
ビアンカ「男同士の友情か…
　　なんだか　うらやましいわね。

ビアンカ「ヘンリーさんと
　　マリアさんって　仲が良くて
　　本当に　ステキなご夫婦よね。
ビアンカ「私たちも負けないよう
　　ステキな夫婦になりましょ。
　　リュカ。

ビアンカ「グランバニアのみんなは
　　どんな顔で　私たちを
　　出迎えてくれるのかしら？
ビアンカ「そんなに　長い間
　　はなれていたわけでもないのに
　　なんだか　なつかしいわ。ふしぎね。

ティミー「デール王って　ヘンリーさんと
　　ちがって　人がよさそうだよね。
　　兄弟なのに　ちがうんだなあ……。
ビアンカ「し〜っ！　ティミー。
　　ヘンリーさんに　失礼よっ！

ビアンカ「本当に　いい天気ね。
　　なんだか　空まで　私たちを
　　祝福してくれてるみたい。

ポピー「えっと…　あのね……。
ポピー「お城にもどったら　わたし
　　みんなで　おべんとう持って…
　　森へ　ピクニックに行きたいの。
ビアンカ「いいわね。
　　じゃあ　お母さんが　おべんとう
　　つくろうかな？
ポピー「ホント！？　やった〜！

ビアンカ「ラインハットに来るのは
　　はじめてじゃないけど　今日は
　　いつもと　ちがって見えるわ。
ビアンカ「人々が　楽しそうに
　　笑っているからかしらね。

ビアンカ「ん？　あの戦士さん
　　なんか言ってた？
　　ごめん　聞いてなかった。

▼サンタローズ
ビアンカ「シスターが　あんまり
　　うれしそうだから
　　こっちまで　うれしくなるわ。
ビアンカ「だって　みんなの
　　笑顔のために　私たち
　　がんばったものね。

ビアンカ「あはは。今の　おじいさん
　　リュカが　今の王さまだなんて
　　思いもしないでしょうね。

ビアンカ「ウソみたい……。
　　私　夢を見てるのかしら。
　　村が　すっかり元どおりだわ。

ビアンカ「あっ　あの人は
　　昔　お父さんの薬を作ってくれた人の
　　お弟子さんね。
ビアンカ「あの人も
　　もどってきてくれたんだ…　よかった。

ビアンカ「世界が平和になったばかりなのに
　　いつのまに　修復したのかしら？
ビアンカ「もしかしたら　私たちへの
　　プレゼントに　神さまが
　　チカラを　かしてくださったのかもね。

ビアンカ「ここ　すごく
　　なつかしいわ……。
　　ねえ　リュカ　おぼえてる？
ビアンカ「……って　ううん。
　　なんでもないわ。昔のことばかり
　　思い出しても　意味ないものね。

ビアンカ「どこから来たのか知らないけど
　　悪い人じゃなさそうね。
ビアンカ「あの人たちなら　この家
　　大事に　住んでくれるんじゃない？

ティミー「ねえ　お父さん。
　　あの人たち　追い出したらダメかなあ？
ビアンカ「ダメに　決まってるでしょ！
　　もうっ　あんたって子は！！
ティミー「ひえ〜〜！

ビアンカ「お父さま　もしかしたら
　　お城での暮らしより　この村の方が
　　好きだったかも知れないわね。
ビアンカ「だって　そう思わない？
　　みんなにしたわれて　友だちだって
　　たくさん　いたんだもの。

ティミー「おじいちゃんの頭を
　　何回も　どついたなんて
　　ボクとしては　許せないよ！
ティミー「あの　おじさんが
　　うしろ向いたら　こっそり
　　しかえし　してやるんだ！
ビアンカ「ティミーっ！
　　つまんないことばっかり
　　言ってるんじゃありませんっ！！

ビアンカ「１ばんの出世がしらだって。
　　ほめられたわね　リュカ。
　　うれしい？

ビアンカ「ここにも　リュカを
　　知っている人が……。
ビアンカ「もしかしたらラインハットの兵は
　　村だけ燃やして　村の人たちは
　　逃がしてあげてたのかしら……？
ビアンカ「わかんないけど…
　　そんな感じがすると思わない？

ビアンカ「………………。
ビアンカ「なんだか　うれしくて……。
　　あのとき　逃げのびていた人
　　じつは　たくさんいたんだなって。

ビアンカ「どうしたの　リュカ？
　　今　時間が止まってたような
　　顔してたわよ。

▼サラボナ
ビアンカ「フローラさんは
　　元気にしてるかしら？
　　リュカ　会っていきましょうね。

ビアンカ「船だけじゃなくて　結婚式も
　　あげてもらったんだけど……
ビアンカ「ルドマンさんにとっては
　　そっちのほうは
　　どうでもいいことなのかもね。

ビアンカ「この町で　結婚式をしたのが
　　なんだか　つい
　　このあいだのことみたい……。
ビアンカ「石になってた時間が
　　長いから　そう感じるのかしら？
　　ううん　そうじゃないわよね。

ビアンカ「ねえ　リュカ？
　　あの日　フローラさんじゃなくて
　　わたしを選んだこと　後悔してない？
ビアンカ「だって　フローラさん
　　今でも　すごく美人だし
　　おしとやかだし……。
ビアンカ「ん？　なんで
　　だまってるの？　もうっ！

ビアンカ「アンディさん
　　すごく　充実した顔をしてるわ。
ビアンカ「男の人って
　　やっぱり　守るべきものがあると
　　すごく　強くなれるのね。

ビアンカ「うんうん。
　　うちの　ティミーと　ポピーにも
　　ぜひ見習ってもらいたいわね。

ビアンカ「あら　今の女の人は
　　伝説の勇者である　ティミーを
　　ステキって言ったのよ。
ビアンカ「なのに　リュカってば
　　うれしそうな顔しちゃって……。

ビアンカ「みんな　楽しそう。
　　ねえ　リュカ。
　　私たちも　おどりましょうか？

ビアンカ「ルドマンさんって
　　本当に　ふとっぱらよねえ。
ビアンカ「でも　ちゃんとした
　　お金のつかい方を　知ってる感じ！

▼山奥の村
ビアンカ「それが　お父さん……。

ビアンカ「お父さん　また
　　会いに来るからねっ。

ビアンカ「ホントにもうっ！
　　お父さんったら　心配してるのか
　　からかってるのか　わからないわ！
ビアンカ「でも　リュカ。
　　私が　ここに帰りたくなるようなことは
　　絶対しないでね。約束よ。

ティミー「おじいちゃん
　　ひとりっきりじゃ　さみしいに
　　決まってるよ。
ティミー「お父さん　お城が
　　落ち着いたら　おじいちゃんも
　　グランバニアに　よぼうよ。ねっ！
ビアンカ「ありがとう…　ティミー。

ポピー「おじいちゃん　大好き。
　　だって　やさしいんだもん。
　　えへへ。
ビアンカ「ポピーも
　　本当に　いい子ね……。

ビアンカ「この村は
　　いつ来ても　ちっとも
　　変わらないわね……。
ビアンカ「だから　私も
　　安心して　この村を
　　はなれられるんだけどね。

ビアンカ「あの人にも　きっと
　　すぐに　いい人が現れるわよね。

ポピー「お母さん……。
ビアンカ「ん？
　　なあに　ポピー？
ポピー「…ううん。なんでもないの。
　　お母さん…　大好き。

ビアンカ「今の話　本当かしらね……。
　　もし本当だったら　ちょっと
　　ショックかな……。
ビアンカ「でも　そんなこと
　　あるはずないわ。
ビアンカ「だって　あの父さんと母さんが
　　私に　ずっとウソを　つきとおすなんて
　　できるはずないもの……。

ビアンカ「やーねえ！　せっかく
　　平和になったっていうのに
　　それしか　言うことはないのかしら？

ビアンカ「あのおじいさんって
　　昔から　ああなのよね。
ビアンカ「まあ　元気だから
　　いいことなんだけど……。

ビアンカ「リュカが
　　ヴェールを　持ってきたときの顔
　　今でも　忘れられないわ。
ビアンカ「なんだか　自分のまわりで
　　起こってることが　夢みたいで
　　信じられなかった……。

▼グランバニア
ビアンカ「わあ　すごい！
　　みんな　集まっているのね。

ビアンカ「ルイーダさんには
　　いろいろ　お世話になったもの。
　　今度　お礼をしなくちゃね。

ビアンカ「ええ。お父さまに
　　負けないように　グランバニアを
　　りっぱな国に　していきましょうね。
ビアンカ「休むヒマなんて　なさそうよ。
　　リュカ。

ビアンカ「プックルも　今まで
　　よく　がんばってくれたわね。
　　えらかったわ。

ビアンカ「ねえ　聞いた！？
　　今の人の話　ちゃんと聞いた！？
ビアンカ「ちゃんと聞いてないなら
　　もう一度　聞いてよ！

ビアンカ「これからは　人間と
　　モンスターが　ともに助け合って
　　生きていく世界になるわね。

ビアンカ「わ　私は　初めて見たけど…
　　今の人が　マスタードラゴンなの？
ビアンカ「天空の人たちが
　　あんなに　あわててた意味が
　　ようやく　わかったわ……。

ビアンカ「気持ちは　わかるけど
　　お城のほうも　守ってほしかったしね。

ビアンカ「あら　この先は
　　通してもらえないみたいね。
ビアンカ「しかたないわ　もどりましょ。
　　酔っぱらってる人には
　　さからっちゃ　いけないのよ。

ビアンカ「平和になったんだもの。
　　これで　好きなだけ
　　天空城と　行き来できるわね。

ビアンカ「そうね。リュカ
　　王の間に　急ぎましょう。
ビアンカ「それとも　もうすこし
　　下で　みんなと話していく？
　　私は　どっちでもいいわよ。

ビアンカ「ねえ　リュカ……。
ビアンカ「私　あなたに
　　めぐりあえたこと　本当に心から
　　神さまに　感謝してるわ。
ビアンカ「絶対に　私の前から
　　いなくならないでね。
　　私のこと　絶対に　はなさないで……。

ビアンカ「さあ　行きましょ…　リュカ。