▼カジノ船
フローラ「結婚式の時は
　　ゆっくり　できなかったから
　　今日は　楽しんでくださいね。

フローラ「あそこで　立っているだけの
　　仕事なんて　変わった仕事ですわね。

フローラ「所持金が　少ないときは
　　少ないなりの遊び方を
　　考えるのが　楽しいと思いますわ。

フローラ「あの方　いつもあそこで
　　カジノのお客さまを
　　からかっているのかしら？

フローラ「カジノ船へ　行きたいけど
　　行けない…　そんなおばさんの　悲しい
　　心の叫びが　伝わってきましたわ。

フローラ「あなた。
　　小舟に　乗るときは
　　足もとに　気をつけてくださいね。

フローラ「この船のことは　私も
　　あまり　よく知りませんの。
　　だから　いっしょに探検しましょうね。

フローラ「ここで　式をあげたのは
　　私たちが　初めてなのだそうです。
　　きっと　幸せになりますわ　あなた。

フローラ「新婚旅行ですもの。
　　すこしくらいは　いいですわよね。
　　私たちも　楽しみましょう。

フローラ「私たちも　順調に
　　コインをふやせるよう
　　がんばりましょう。

フローラ「神への信仰を
　　このようなことで　試すなんて…
　　私には　考えられません……。

フローラ「わからずに　当てるなんて
　　ラッキーですけど　あれでハマって
　　大損すると　アンラッキーですわ。

フローラ「……ということは　カジノって
　　イカサマが　できるのかしら？
フローラ「う〜ん……
　　でも　どうすればできるのか
　　わからないわ……。

フローラ「女の人みたいな
　　男の人でしたわね。
　　ああいう方も　いらっしゃるんですか。

フローラ「あの方　そんなに近づいて
　　見ていたのかしら。

フローラ「若い娘さんたちが　お金のために
　　こんな場所で　はたらくなんて
　　本当は　よくないのですが……
フローラ「ここは　父も管理していますし
　　ほかの　あやしいお仕事よりは
　　マシかも知れませんわね……。

フローラ「私にも　こういう場所で
　　踊る勇気があるといいんですけど……。

フローラ「ダンスも　すごいですけど
　　衣装も　すごいですわ。
　　ぽっ……。

フローラ「あなたも　あまり近づくと
　　けられますわよ。

フローラ「リュカさん…
　　あの　踊り娘さんの足を
　　さわったんですか？
【はい】　　　　　　　　　　　　　　　　【いいえ】
フローラ「そんな…　ひどい。　　　　　　フローラ「私の足で　よければ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あとで　お好きなだけ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　さわってください。ぽっ……。

フローラ「あら？　あの方…　修道院で
　　ごいっしょした方だと　思うのですけど
　　気のせいかしら……？

フローラ「ワンツー　ワンツー！
フローラ「ここなら　人カゲになって
　　あまり見えませんから…
　　すこしだけなら　踊れますわ。

フローラ「女は見られると　美しくなると
　　言いますけど…　私には　はずかしくて
　　とても　ムリですわ……。

フローラ「私がいた　修道院にも
　　寄付をしていたんですけど……
フローラ「私は　マザーにお願いして
　　ほかの方と　同じように
　　扱っていただきましたの。

フローラ「そういえば父が　大負けする前に
　　神さまに　お祈りしておくといいと
　　よく言っていましたけど……。

フローラ「まあ！
　　父の好きなお酒ばっかり……。

フローラ「まあ。そんなこと
　　考えたことも　ありませんでしたわ。
　　みなさん　どうなさっているのかしら？

フローラ「ラッキーですわね。
　　これで　私たちの運も　少し
　　上がったかも知れませんわ。

フローラ「でも　勝っているときって
　　引きどころが
　　むずかしいんですわよね。

フローラ「何から　遊びます？
　　私は　ポーカーで　ダブルアップを
　　ねらうのが　好きなんですけど……。

フローラ「すごろく場が　あるなんて
　　びっくりしたでしょう？
　　……私も　びっくりしましたわ。

フローラ「私は　いつも　頭を
　　使っていませんけど…
　　結果は　勝ったり　負けたりですわね。

フローラ「なら　ゆれが　あの方に
　　味方したときも
　　あったんじゃないかしら？

フローラ「すごろく中は　何度も
　　場を見渡して　進路を決めていかないと
　　いけませんわね……。

フローラ「いくら　ルドマンの家の者でも
　　ここの荷物に　手をつけたら
　　しかられてしまいそうですわね……。

フローラ「なんだか　もうけるまで
　　帰らないぞっていう　意気込みが
　　荷物から見えるようですわね。

フローラ「私　父と船に乗るときは
　　私たちの部屋と　甲板ぐらいしか
　　行かせてもらえなかったの。
フローラ「父に　そんな思いがあったなんて
　　私　知らなかったわ。

フローラ「船で　はたらく方は
　　お客さまの命を　預かっている者として
　　しっかり　やってほしいものですわ。

フローラ「う〜ん…　いいにおい。
　　私　少し　おなかが
　　すいてきてしまいましたわ……。

フローラ「ここは　船員さんたちの
　　お部屋でしたのね。

フローラ「父は　押しが強いというか
　　わがままなんですわ。
　　はずかしいです……。

フローラ「…………。
フローラ「あなたのほうが
　　ずっと　すごいですわよね。

フローラ「その　フラフラのヨロヨロ状態で
　　なにも考えずに　スロットすると
　　大当たりが　出るのかも知れませんわ。

フローラ「お気に入りの　カジノ場だとは
　　聞いていましたが　まさか
　　父の提案だったなんて……。
フローラ「私が　修道院に行っている間に
　　お父さまったら　こんなもの
　　つくっていらしたのねっ。

フローラ「私も　あなたと旅を始めてから
　　海が　好きになりましたわ。
　　船から見る　星空は　最高ですわね。

フローラ「私のほかにも　女の身で
　　旅をなさっている方がいらっしゃるとは
　　心強いですわ。

フローラ「カジノ場は　どうしても
　　荒れますから……。
　　お客さまの安全を　守らないと。

フローラ「ダンナさんって
　　どの方かしら……。

フローラ「計算で当てられるカジノは
　　楽しくないと言って　父が
　　スロットを　改良したみたいなんです。

フローラ「そうですわね。
　　負けたときは　気分をかえるような
　　ことをすると　いいかも知れませんわ。

▼カジノ船(夜)
フローラ「こんなところで　おやすみに？
　　宿に泊まるお金まで　カジノで
　　つかってしまったのかしら……？

フローラ「神父さまも　人間ですから
　　少しくらいは　遊んでもいいですよね。

フローラ「ずいぶん　落ちついた雰囲気
　　ですわよね。まるで　恋人たちの
　　時間のような…　ぽっ……。

フローラ「歌で　こんなに人を
　　引きつけられるなんて…
　　名のある歌い手さんなのかしら？

フローラ「えっと…
　　しびれには　まんげつ草　ですわ！

フローラ「近くで聞くと　いっそう
　　ステキですわ。この舞台を　ひとりで
　　まかされているだけ　ありますわね。

フローラ「この場所で　落ちこむ理由は
　　ただひとつ……。
　　負けすぎて　家に帰れないのですわ。

フローラ「じゃあ　あの方　もう
　　すごろくできないんですね。
　　お気のどくに……。

フローラ「私も　そのパスのことは
　　聞いたことがありますわ。たしか…
　　セレブリティパスとか　いったような。

フローラ「私も　泳げません……。
　　もしもの時は　助けてくださいね。

フローラ「残念ですが
　　あの方は　近いうちに
　　クビになるような気がします……。

フローラ「お料理って　楽しいですものね。
　　いろいろ　こりだすと
　　とまらなくなってしまいますわ。

フローラ「立派な　おこころざしですわ。
　　船長となられる方は　ちがいますわね。

フローラ「心強い言葉ね。
　　あの方にまかせておけば
　　きっと　安心ね。

フローラ「夢の中でまで　カジノで
　　勝負なさっているなんて…
　　よほど　お好きなのね。

フローラ「まあ！　あの方
　　耳まで　ベトベトですわ。
　　……ごめんなさい　じょうだんです。

フローラ「じゃあ　踊らなければいいのに
　　ゆかいな方ね。

フローラ「カジノで　ムキになっては
　　大損のもとですわ。
　　あくまで　楽しむつもりでないと……。

フローラ「うふふ。
　　負けず嫌いな方のようですわね。

フローラ「じゃあ　私たちも
　　ひと遊びした後は　踊りましょうか？

フローラ「私たちは　星空の下で
　　散歩を　たのしむ時間ですわね。

フローラ「私も流れ星に　何度か
　　お願いしましたわ。
フローラ「父の船で　一度だけ会った
　　男の子に　また会えますようにって。