▼鏡
マリベル「あっ　もしかして
　　あたし　ちょっと　やせたかしら！

マリベル「今日は　お肌のつやが
　　あんまり　よくないわね。

マリベル「今日も　あたしってば
　　ベリベリキュートね！

マリベル「うーん　このえくぼ！
　　われながら　かっわいー！！

マリベル「あたしも　たまには
　　きちんと　おけしょう
　　してみようかなあ……。

マリベル「……言っちゃあなんだけど
　　あたし　つくづく　パパに
　　似なくて　よかったと思うわ。

マリベル「まあ！
　　今日も美しいわ　マリベル
　　なーんてね。

マリベル「ぜいたくを言うと
　　もうちょっと　はなが高いと
　　よかったんだけどなあ。

マリベル「気のせいかしら。
　　ちょっと　太ったかな……？

マリベル「こんなに　美しい
　　マリベルさまを　うつせるなんて
　　この鏡も　しあわせものね。

マリベル「こんな安っぽい鏡でも
　　あたしは　キレイに
　　うつっちゃうのね〜。

マリベル「いろいろ　ためしたけど
　　あたしって　笑った顔が
　　いち番　ステキだわね。

マリベル「あらっ！？
　　すごい美少女が　立ってると思ったら
　　鏡だったのね。ほほほ！

マリベル「あたしの顔は
　　パパとママの　最高けっさくね。

マリベル「まっ　やだわ。
　　思われニキビが　できちゃった。

ニキビが　できている…。
マリベルは　ショックをうけた。

マリベルは　鏡にむかって
ウインクした。

このかっこう　あきちゃったな…
マリベルは　思った。

ちょっと　くたびれた姿が　うつっている。
マリベルは　手早く　身づくろいをした。

マリベルは　自分が　いちばん
かわいくみえる角度を　探してみた。